今回は「中医学とは?ヨガインストラクターが勉強をする理由」につて、ヨガのレッスンへの活用方法やどんなことを学ぶのかなどヨガ×中医学についてまとめました。
どんな場面で中医学の知識が役立つのかを知ると、学ぶことへの価値がわかるようになります。
ヨガインストラクターとして知識の幅を広げたいという方はぜひ参考にしてみてください。
なぜヨガインストラクターは中医学を勉強するの?
クラスの生徒さんは、美容や心身の健康のために何か始めたいという思いから来てくれている人が多いかと思います。つまり参加の目的は「美容」「心身の健康」というわけですよね。
中医学も目的は同じく、美容や心身の健康であり、特別な道具を使わなくてもツボ・経絡(体表を流れる内臓へ続く道)の巡りを促すことができるためヨガのポーズとの相性が良いという利点から
中医学を学ぶヨガインストラクターが多いと考えられます。
では、中医学がヨガのレッスンでどんな時に活用できるのでしょうか?具体的に見ていきましょう。
ヨガのレッスンで中医学はこんな場面で活用できる
- 生徒さんとのコミュニケーション
- プログラム作り
- シークエンス作り
- インストラクション
生徒さんとのコミュニケーションで活用できる
オープニングトークやクロージングトークでのネタとして季節に合わせた養生方法や、不調の改善策などを提供できるようになります。
また、レッスン前後の雑談などでも個別で体質に合わせたアドバイスができるようになるため、生徒さんにとってもインストラクターにとってもマイナスになることはないはずです。
プログラム作りで活用できる
自分でヨガ教室などを運営している場合、季節の変化に合わせたプログラムを作れるようになります。
中医学の「五行学説」では、季節の移り変わりに合わせた養生方法なども学びますから、特にレッスン内容に悩むことがあるという方は、
季節の特徴とともに人体に表れやすい心身の状態を参考に、年間を通したプログラムを組むことがおすすめです。
シークエンス作りに活用できる
ツボや経絡を意識したシークエンスが作れるようになります。
例えば「肩コリ解消」というレッスンテーマなら、胃/脾の経絡の流れを追った動きやポーズをシークエンスに取り入れることで、より効果的な肩コリ解消へのアプローチが可能です。
「肩凝りが良くなった」など、効果について生徒さんからの感想をいただけると嬉しいですよね。
インストラクションに活用できる
ツボや経絡の知識の他にも、中医学で学ぶ精神性はインストラクションとして活用できます。
人体における五行説では、各臓腑に属する喜怒哀楽につても学びますが、例えば初心者にありがちなアップドックでお尻に力が入り、腰に負担がかかっているような場合
お尻を力まないように気を付けながら
吸って目線を上げます。
一度深く息を吐いてリラックス。
冷えやすい背中やお尻を温めるように
ゆっくりと息を吸いながら目線を上げます。
「周りにあわせなきゃ!」という焦りが腎に属する感情だと知っていれば、焦りを緩和し温かい(心に属する)安心感(胃脾に属する)のある言葉を含めた例2のようなインストラクションになるはずです。
声かけに限られたことではなく、中医学自体がとても優しさに溢れた知恵だと思っています。それもヨガを伝えるインストラクターが中医学に魅力を感じる理由の一つなのかもしれませんね。
さて、ここからは中医学の内容をザックリとまとめます。興味のある方はぜひ読み進めてみてください。
中医学とは
中医学は予防学です。いわゆる未病の状態から症状を悪化させない知恵。たとえ病として発症しても、それもまた悪化させず原因である体内の陰陽のバランスを正常にすることで根本から健康な状態に戻すことが基本となっている医学。
少し具体的にどんなことを学ぶのかを見ていきましょう。
中医学で主に学ぶ3つのこと
- 陰陽学説
- 五行学説
- ツボ・経絡
陰陽学説
光(陽)のあるところには影(陰)があるように、中医学ではこの世の全てのもの(森羅万象)は陰と陽のバランスで成り立っているという考え方。
五行学説
季節の移り変わりを5つに分け、人体が受ける影響も5つの季節に重ね合わせた「天人合一」(天と人は合わせて一つ)という概念の学説。
陰陽学説と合わせて「陰陽五行学説」と呼ばれることもあります。
ツボ・経絡
ツボは駅、経絡は線路と言われ、それぞれが内臓に繋がっており臓腑の不調へのアプローチとして体表からはカッサ・カッピング・お灸・深いところで針などがあります。
中医学をレッスンで活用する際の注意点
一般的なヨガのクラスに参加してくれている生徒さんは基本的に健康な方ですよね。
いくら健康を維持する優れた知恵とはいえ、自覚症状もない生徒さんに「それは内臓の不調です」など言ってしまうと、だだ不安を煽る行為でしかありません。
学んだことをアウトプットしたい気持ちはとてもよくわかりますが、不調を伝えるより、「そういう時はこのツボが効きますよ」など養生方法を伝えた方が
生徒さんは「いいことを聞いた」と思うのではないでしょうか。
一般的なヨガのレッスンで中医学を伝える時は、相手に安心感を与えるような心がけを大切にしたいものです。
ヨガに特化した中医学を学べるスクール
ヨガのレッスンに特化した中医学を学べるスクールは数少ないです。下記2つのスクールの卒業生による養成講座もあるようなので、スクール名で検索のうえ問い合わせてみるといいかもしれません。
スクール名 | 場所 | オンライン | 内容 | 講師 |
Yoga plus style®︎ | 札幌 | ○ | 陰ヨガ理論 陰ヨガの効果 中医学経絡理論 中医学と陰ヨガ 陰ヨガ基本のポーズ レクチャー法 陰ヨガの解剖学 シークエンスの組み立て方 | 田中 しのぶ |
ヴィオラスクール | 大阪 | × | 陰ヨガ 中医学理論 経絡ヨガ 季節の養生ヨガ シークエンスの組み立て方 | クリス・スー 通訳あり |
まとめ:長い目で見て価値ある学びを深めよう!
今回は「中医学とは?ヨガインストラクターが勉強をする理由」につて、ヨガのレッスンへの活用方法やどんなことを学ぶのかなどヨガ×中医学についてまとめました。
ヨガはプラーナや解剖学、中医学など色々なことを勉強すると新たな発見に出会えたり、自分が進んで行きたいと思う道が見えてくることもあります。
より生徒さんに楽しんでもらえるようなレッスンを目指すだけでなく、ヨガインストラクターとしての活動を長い目で見ると中医学は「学びを深める価値」のあるものではないでしょうか。
下記の記事では、中医学の他にもヨガインストラクターにおすすめの学びを紹介していますので、自分に合った学びを深めたいという方は、ぜひあわせて読んでみて下さい。
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