ヨガのクラスでアルダチャンドラーサナを入れると、
とても動きにくそうだし、グラグラするし、
どう誘導したらいいのかわからない。。。
誘導の順番がいけなかったのか、ポーズに入るまでの流れが悪かったのかと
レッスンが終わってから考え込んでしまったことはありませんか?
今回は、基本のインストラクションを例にしながら生徒さんがフラつきがちなアルダチャンドラーサナ(半月のポーズ)について、「伝え方」と「誘導のコツ」についてまとめます。
生徒さんと一緒にアルダチャンドラーサナを気持ちよくキメたい!という方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
この記事では「伝え方」という視点からアルダチャンドラーサナをキメるコツを紹介しています。
解剖学の視点からバランスのポーズを安定させたいという方は、下記の記事がおすすめです。
ありがちなアルダチャンドラーサナのパターン
アルダチャンドラーサナでありがちなのは
- 脚を持ち上げる段階でプルプルしている
- 片手を上げる時にグラつく
特に初心者さんの多いクラスで見受けられるのは、脚を上げたときにすでにプルプルしているか、片手を上げたときにグラつくかと言ったところですが、
反対にポーズに入ってしまえば目線がブレない限り意外に安定するというのがアルダチャンドラーサナの特徴です。
では、その特徴をどうしたら解消できるのかを誘導の具体例と一緒に見ていきましょう。
誘導のどこで「アルダチャンドラーサナ」が不安定になるのか
普段のクラスを思い出しながら、
いつもの誘導でバランスを崩すのはどこの部分なのかを考えると、原因を探るヒントになります。
例として、生徒さんが不安定になりやすい部分に色を付けてみました。
では突然ですが、この基本的な誘導の中にあまり難しく考えず
アルダチャンドラーサナがゆらがないポイントを入れてみてください。
アルダチャンドラーサナをキメる!誘導のコツ
ちょっと難しいなぁと思った方へ、一部抜粋して例をあげると
3.後ろの足を持ち上げて目線は、少し前の床です。
3.後ろの足少し持ち上げてアキレス腱を伸ばします。踵を力強く蹴り出して目線は、少し前の床です。
どちらが安定しやすいでしょうか?と聞かれれば、力の入れ方を具体的に伝えている後者だと思います。
解説すると、「アキレス腱を伸ばす」ことは誰しもやったことがあり、言われるとその感覚をイメージします。そこに「踵を強く蹴り出して」という具体的な方法を付け加えることで足の持ち上げ方が伝わったわけです。
つまり、身体の動かし方を誰もがイメージできる何かに例えて伝えることがアルダチャンドラーサナをキメる誘導のコツと言えます。
では、ここからはポーズの印象をガラリと変える伝え方について解説をします。
アルダチャンドラーサナで「こうなりたい」を想像させる
アルダチャンドラーサナを初めてやってみた時のこと覚えていますか?
グラグラするし、キツイし、バランスを崩しそうで怖いし、むしろやりたくない。
正直言って私はそう思っていました。誰もがそうとは限りませんが。。。
しかし、今はそういった自分の過去の経験から、生徒さんにはポーズそのものを楽しんで欲しいと思っています。
そこで、ネガティブな印象を克服するアイディアとして
バランスを崩しそうな場面で、生徒さんの「こうなりたい」を想像させる言葉を伝えてみました。
するとどうでしょう!アルダチャンドラーサナがキープできているではありませんか!
具体的な例を見ながら何にアプローチしたのかを見ていきます。
ポーズの印象はモチベーションで変わる
グラグラするし、キツイし、バランスを崩しそうで怖いし、むしろやりたくない。という人に
もう一度大きく息を吸いなおして、身体全体をピンと張って
と言うのと
もう一度大きく息を吸いなおして、身体全体をピンと張ると内ももの引き締めに効果的です。
と伝えるのでは、どちらがポジティブな印象を受けるでしょうか?
アルダチャンドラーサナを取入れられるクラスには、痩せたい・ダイエットしたい・引き締めたいといった参加者が多いはずです。
つまり、ポーズの印象はインストラクションに生徒さんの願望を刺激する「効果」を加えると変えることができるということになります。
誘導は生徒さんのレベルに配慮する
アルダチャンドラーサナを安定させるために、どんなに工夫をしたとしてもポーズ自体が生徒さんのレベルに合っていなければ結局伝わらなまま終わってしまいます。
脚を上手に使えるか、腰を落とさずに体幹を使えるか、柔軟性などを配慮した上で
アルダチャンドラーサナというポーズにチャレンジできるのかを見極める経験はレッスンを行うことでしか養われません。
まだレッスン経験の浅い方は1人、2人だったとしても勉強をさせてもらうつもりで自分で教室を運営してみると、少人数だからこそ生徒さんの様子を力観察できる力がつきます。
アルダチャンドラーサナに学ぶ「集中力」とは
ヨガのバランスのポーズはどれも集中力がつくという効果が期待できます。
大抵の場合は集中力が切れかかるタイミングでバランスのポーズを行うことが多く、ここでもう一踏ん張りするからこそ本当の集中を得る事ができるのではないでしょうか。
よりブレない軸の強さと自分を支える気持ちの強さを必要とするアルダチャンドラーサナは目線を移動することの難しさもあり、
それが日常生活でもいわゆる「気が散る」状態態から目の前のことに集中を戻せる力となり得ます。
生徒さんに伝える必要はないですが、そんなことを考えてみるのもヨガインストラクターとしての学びの一つだと思っています。
まとめ:大切なのは生徒さんの気持ちを動かす誘導
今回紹介した「アルダチャンドラーサナをキメる誘導のコツ」は次の2つです。
- 身体の動かし方を誰もがイメージできる何かに例えて伝える
- インストラクションに生徒さんの願望を刺激する「効果」を加える
こういった誘導のポイントは、学んだ知識だけではなく、自分がポーズをとったり時には生徒さんの様子をマネたりすることでより説得力のある声かけができるようになります。
それは、自分が体験し感じ取った「経験談」が生徒さんの心にアプローチする力になるからです。
下記の記事では「伝わるインストラクション」をテーマに、クラス別誘導のポイントを紹介していますので、是非あわせて読んでみてください。
このサイトでは、ヨガインストラクターが悩みがちなことを自分で解決できるようになるヒントを【イントラ学】として配信をしています。
ヒントは使ってこそ実力となっていきます。迷ってしまった時や壁にぶつかった時にはヒントを探しにまた覗きに来てください。宜しくお願いいたします。
おまけ
最後まで読んでくれた方へ。アルダチャンドラーサナの誘導の例です。
クラスのレベルに配慮しながら言葉を入替えて使ってみて下さい。
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