「くつろげるソファーに腰を下ろし、ホッと一息。」
実は、そんなささやかな癒しの体験からでも誘導の言葉は生まれます。
なぜなら自分が経験した癒しの体験をちょっと具体的にするだけで、頭の中にある「癒し言葉」がいつでも引き出せるようになるからです。
この記事では、ヨガのレッスンで生徒さんが癒されるような【心に響く誘導の言葉】を自分で見つける方法についてまとめてみました。
生徒さんを癒したい、癒されるような声かけをしたいという方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
生徒さんの心に響く誘導「癒しの言葉」とは?
例えば
シャバーサナで目の力を緩めたい時
「目の奥の力を緩めましょう」
この言葉は心に響くでしょうか?今は目を閉じるんだ。
納得はできますが、やり方の説明でしかありませんし、癒されるわけでもありません。
ところが、こう言い換えたらどうでしょうか?
目の奥をふんわりと緩ませます。
優しい印象になりました。「目の奥の力を緩めましょう」と何が違うのか。
それは、”ふんわりと”という癒しを想像させる言葉が入っているという点です。
目を閉じても眼球が動いている、力が入っているところにイメージしやすい具体的な力加減を伝えるからこそ、「今は目を閉じて、目の奥がふんわりすればいいんだ」という想像ができるようになり、表現として使った言葉が「癒し」として伝わるようになるのです。
「仰向けになって腕で包み込むように両ひざを引き寄せましょう。」
「背中全体を床にゆだねて、柔らかなお腹を温めるように呼吸を重ねます。」
これはアパナーサナのインストラクションですが、要するに
「仰向けでひざを抱える」
「背中全体は床につけたまま、呼吸をする」
という誘導です。
ところが、「包み込むように」「引き寄せる」「ゆだねる」「柔らかなお腹を温める」という言葉が入っただけで、印象は驚くほど変わり言葉の伝わる力が高まります。
生徒さんの心に響く誘導「癒しの言葉」はどこから生まれるのか
ズバリ「経験」です。
こんな所に行った・おいしいスウィーツを食べた・好きなことをしている時など、ヨガインストラクターに限らず
誰だって心地良さを感じた経験が必ずあります。
そして経験は感情と思考を大いに刺激し、記憶となって頭の引出しに入るからです。
では頭の中からどうやって言葉が引き出されるのか、簡単に解説をします。
ヨガの誘導で「癒し言葉」の引出しが開くとき
ここでは分かりやすく、ボルスターやクッションなどを使って身体のどこにも負担のない態勢になってみましょう。
あ~、、、極楽。。。という状態です。
生徒さんが心地よさそうなのを目にした時、ボルスターやクッションに身体をゆだねた自分の記憶が「癒されるなぁ」という感情に働きかけた瞬間、頭の中の「癒し」の引出しが開きます。
後はその中から伝える言葉を選び取るだけなのですが、
レッスンで過剰な緊張があったり、レッスン経験がまだ浅い人はここで詰まりがちです。
なぜなら、「癒し言葉」の引出しをちょっと覗いてみると、入っているのは単純な単語が多いからに他なりません。
生徒さんの心に響く誘導「癒し言葉」の作り方
手のひらに乗るほどの小さな子猫がウトウトしているところをイメージしてみましょう。
柔らかくて温かくて、ものすごく癒されませんか?
可愛い・柔らかい・愛おしい
そんな言葉が自然と湧き出てくると思いますが、まさにコレが引出しに入っている「癒し言葉」です。
しかしヨガのレッスンでこの言葉をそのまま使うわけにはいきませんので、誘導に適した言葉に書き換える作業が必要になります。
【可愛い】→じっと見つめてくる姿が可愛い→小さくて可愛い
つま先をじっと見つめながら吐く息でお腹が小さく縮まる感覚を味わいます。
【愛おしい】→頬を寄せたくなるほど愛おしい→抱きしめたくなる愛おしさ
ご自身の腕に頬を寄せるように目線を僅かに上げてみます。反対の腕は腰をサポートしましょう。子猫を優しく抱きしめる力加減です。
というように、具体的に何が可愛いと思ったのか、何が愛おしいと思ったのかなどを体験した時のイメージから掘り起こし、書き換えると
紛れもなく自分の経験したことが生徒さんの心に響く癒しの言葉として伝わるようになります。
引出しの言葉を「心に響く言葉」に書き換えるおすすめワーク
誘導やインストラクションに詰まりやすいという方は、
言葉を目で見える形で可視化すると書き換えが驚くほど上達します。
おすすめのワークは、頭の引出しの取り出しやすい位置に書き換えた言葉が整理されるよう
何かに背中を預け「くつろぐ・リラックスする」ことを意識しながら、自分の中にある言葉を大きめのノートに書き出してみるという作業です。
まとめ:誘導の「癒し言葉」を見つけるには癒しの体験が近道
自らが体験し経験したことを表現するからこそ、誘導の言葉が「癒し」として生徒さんの心に響くのではないでしょうか。
今回紹介したワークも、ボルスターやクッションなどに体を預けてリラックスしてから行うと
自分の中に眠っている言葉を見つけやすくなります。
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ぜひ生徒さんへ「伝える」ための言葉探しに、体験と経験を大切にしたいですね。
おまけ
ここまで読んでくれた方だけに、生徒さんの心に響く誘導の「癒し言葉」の実例を紹介しますのでぜひ参考にしてみて下さい。
手の温もりを大切にお腹で育てます。
周りの空気を集めて取り込んだら呼吸で温めて優しく返します。
意識的にゆっくりと息を吐いてみましょう。ご自身を労わるように繰り返します。
ゆっくりでいいです。胸とお腹が柔らかくなる力加減を見つけましょう。
湯舟に浸かってホッと一息つくように緊張した身体をほぐしましょう。
温かい飲み物がお腹に流れてくるようなイメージで呼吸を体に巡らせます。もう一つ大きな呼吸を入れましょう。
呼吸が苦しいと辛いと感じます。辛いと感じたらもう十分。胸の真ん中をじんわりと温めるように呼吸を重ねます。
心が乱れている時は周りが気になります。そういう瞬間こそ、ゆったりと自分のペースを見つけるチャンス。
一呼吸だけ、追い詰めるより癒すことを選択してみます。
今は自分へのご褒美の時間です。深く呼吸しましょう。
1分でも1秒でも過去を振り返れば心は揺らぎます。前を向いて吸い入れた呼吸が体に満ちるのを味わってみましょう。
辛いと感じる時はいつだって肩を楽にすれば解決します。
お水が入っているコップをイメージしてみます。お水の量はどのくらいですか?優しさや愛おしさ、感謝、労わる気持ちがお水の量です。コップは心。ご自身の胸の中を満たしながらお休みをします。
考え事があっても、ただそれを観察をしている自分を見守りながらお休みをします。
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